第191話 『郭 海皇』

 

 結論から言えば、今週のタイトルは『ぷるん』か『ぶらん』だと思います。

 さて、先週はバキ世界の噛ませ犬の代名詞、ムエタイ使いの『サムワン 海王』vs中国が生んだ奇跡の140歳『郭 海皇』の対戦と言う、正直、驚愕!の引き方をしたのですが、ここでバキにおけるムエタイの歴史を復習しておこうと思います。

 ムエタイとは、言わずと知れたタイ国伝統の蹴り技主体の格闘技です。
 格闘ゲームでも、餓狼伝説の『ジョー東』や龍虎の拳の『キング』、ザ・マスターズ・ファイターの『J』でお馴染みですね。ですね、と言われても困るでしょうが、お馴染みの筈です。馴染みが無ければ馴染んで下さい。

 で、バキ史上においても、このムエタイ使いは幾人か登場してきました。
 ユリーのスパーリング相手としてやってきたセンサラック・ディーノイ、ムエタイの5冠王チャモアン、そして地下トーナメントに出場したデントラニー・シットパイカーとジャガッタ・シャーマンです。
 そんな彼らの共通点と言うのは、皆一様に、例外無く『噛ませ犬』として使われた、という事なのです。
 しかも、大抵は1週間足らずしか誌面に乗らないのも共通しています。

 ディーノイはユリーにボコられKO、チャモアンは運悪く暇を潰していた勇次郎に出会し、デコピンでいなされた挙げ句一撃でKO、シットパイカーはズール相手に一方的に叩き込むも、その直後ボコボコにされてあえなくKO、ジャガッタに至っては試合に出る以前に、勇次郎に『この大会に相応しくない』と因縁を付けられ、肉団子状に丸め込まれてしまいました。特にジャガッタの殺され方は剰りに酷く、後々バキ世界に置いて『要らないキャラがあっさり殺される事』をジャガッタされる、ジャガッタする、ジャガる等の単語が生まれるに至るのですが、それは置いておきまして。
 これらの様に、バキ世界においてムエタイには『呪われた宿命』が付きまとっている訳です。

 そんな訳で、この大擂台賽の開催時、『ムエタイ!サムワン 海王!!』と出てきた時には、皆一様に『彼は噛ませ犬だ』『彼は負ける』『彼はジャガッタされる』と騒いだ経緯が有る訳です。従ってこの大擂台賽でのサムワンの見方と言うのは、『どう負けるのか』が最重要ポイントだったのです。
 擂台の場で、新キャラの噛ませ犬となって殺されるのか。
 或いは控え室で勇次郎やオリバ大先生にぐしゃっとされるのか。
 はたまた、最近夢見がちなドリアンさんにじゃれつかれてしまうのか。
 もう一度言う事になりますが、『どう負けるのか』が最重要ポイントだったのです。

 皆がそれを気にしている中、先週発表されたサムワン 海王の相手は、何とあの郭 海皇。よりにもよって、100年前の大擂台賽の覇者、海王の中の海王とぶつかった事は、正に生まれた時既に定められた『敗北』への宿命が決定的になった瞬間とも言えます。何処でどう間違っても彼の悶死は必至と言うか、いい加減面倒なので彼の運命の話は捨て置きましょう。

 兎にも角にも、そんな事を考えながら今週のバキを読み始めたのですが。
 もうね、初っ端から嬉しくって嬉しくって。
 何が嬉しいって、この擂台賽が始まって、やっと『強さエピソード』が語られたでしょう?しかも、サムワンの方の。あまつさえ、コブラとはしゃいでた、と来ましたでしょう?嬉しくって嬉しくって。何て言うか、コブラの辺りからして既に微妙なのがまたたまらない。
 挙げ句の果てに、彼ったら『気だの気孔だのまやかしだ』とか、誰も何も聞いてない事を考え始めているでしょう?別に郭 海皇が気を使いますよ、なんて話は誰もしてないのに。無意味な事を不敵な笑みを浮かべて考えている彼が素敵過ぎる訳ですよ。ある意味『激萌え』と言っても差し支えないでしょうね。いえ、差し支えありそうなので撤回しておきますが、それに限りなく近い別の何かが。

 それだけでも酷く滑稽で―――酷く無様だと言うのに、『ぷるん』は何だと。『ぶらん』のコマの毛の生え具合はどうだと。サポーターは履いていないのかと。と言うか、板垣先生は定期的に股間にダメージを加える描写を描かないと気が済まないのかと。
 今週の一連の流れは、何処を取っても笑いと突っ込み無くして読む事は出来ない、非常に高いクオリティとテンションを以てして描き出されていた、と言っても過言では無いでしょう。最後の股間を押さえて倒れているサムワンも、今週を締めくくる1コマとして文句無しと言えます。

 後は、郭 海皇が意外にも『素早く動けた』事についてや、眼鏡が取れた顔が最後まで描かれなかった事に『何か意味が有るのか否か』等についても書ける事が有りそうですが、今週はサムワン 海王の回だったので、その件は無かった方向で。


第192話 『“武”とはッッ!?』

 

 今までずっと勘違いしていたのですが、この『大擂台賽』と言うのは『地下トーナメント』と違って公に開催されている物だったみたいです。冒頭、郭 海皇を取り囲む記者達を見て初めて知りました。
 『伝説の』とか『100年に1度の』とか言っている物ですから、てっきり裏の祭りだと思っていたのですが、中国を代表する12人の海王達が一同に集うと言う大イベントを、何も秘密裏に行う事は無いですね。考えてみればアライJrの様な一般人(?)だって知っていた訳ですし。

 で、記者達に囲まれた140歳のお爺ちゃん、郭 海皇。
 曰く、『武に力は不要』。『女、子供、老人の様な弱者に使えない武術には意味が無い。タイミングさえ把握していれば、力も速度でさえも不要』と言った事をボソボソと喋っておられます。
 って言うか、サムワン 海王の蹴りを凄まじい速度で躱していた様な気がするのですが。
 流石は海皇、烈同様に言ってる事とやってる事が全く違います。

 しかし、この論理はやはり勇次郎には通用しない訳です。
 最初から咬み合っていない事ですが、郭 海皇は『武術』を語っている事に対して、勇次郎が振りかざすのは常に『力』、『暴力』であって『術』はどうでも良いのですよ。弱者に使えない云々なんてのは勇次郎にしてみれば蠅の羽音にも等しい言葉で、勇次郎視点では『弱者は弱者』、もう強いとか弱いとかじゃなくて『弱者』という概念でしかない。感情を制御出来ないとか言われても、『だから?』と思うでしょうし、むしろ逆ギレされるのが関の山です。
 無関係ですが、サングラスを取った郭 海皇のお目々はクリクリッとしててキュートでした。

 さて、サムワン 海王。
 記者達が居たと言う事は、あの一撃悶絶死も見られちゃったサムワン 海王。
 そもそも、あれだけの観客の前でサムワンのサムワンを晒しちゃったサムワン 海王。
 ダメージを喰らった部位(サムワンのサムワン部分)を抑えながら、荒れに荒れてます。サムワンのサムワンをプルンッとされた事を思い出しては柱に蹴りを入れて憂さ晴らし。馬鹿丸出しです。
 しかも伝説の海皇を『ジジイ』呼ばわり。誰も聞いてない『気』なんかについて語ってるからそんな事に。

 挙げ句の果てに、気付いたら背後にムエタイキラー・勇次郎の姿。
 もうこの時点で大笑いしちゃったんですけどね。
 板垣先生のムエタイ嫌いも度が過ぎるな、と。
 ムエタイの敗北率は100%ですが、勇次郎と遭遇した敗者のジャガッタ率も100%でしょう?
 最近では、柳があの本部に陵辱され尽くされた挙げ句、何となくやってきた勇次郎に裏拳でグシャッとされたのが記憶に新しい事と思いますが、基本的に勇次郎は敗者を見掛けると見開きでグシャッとするのが大好きです。言うまでも無くムエタイをグシャッとするのも大好きです。サムワンはムエタイで且つ敗者です。
 図にすると、

 ムエタイ=グシャッ
 サムワン=ムエタイ=グシャッ
 サムワン=敗者
 勇次郎+ムエタイ=ジャガッタ
 勇次郎+敗者=グシャッ
 勇次郎+サムワン=グジャッタ

 これ程絶望的な状況を見た事がありません。
 何だって板垣先生はムエタイを虐め抜かないと気が済まないのでしょう。
 もう本当に…勇次郎が出てきた時点で大笑いしちゃったんですけどね。

 そんなムエタイ大好き勇次郎。
 『同じ敗けるにしたって敗け方って物がよォ…国民性の違いと言うか…俺ならとてもとても…』
 遂にはタイ自体を馬鹿にし始める始末。
 板垣先生のロシアの見下しっぷりは有名ですが(例:『ロシアに棲む君は分からんだろうが』『遅れてるなァ、ロシアの喧嘩はよぅ』『ロシアは情報に閉ざされた国』等)、このムエタイ、及びタイの馬鹿の仕方は異常の域です。一体何がそんなに気に入らないんでしょうか。
 しかも『日本人ならその場で腹切りだぜ』なんて嘘教えるの止めて下さい。

 母国まで馬鹿にされたサムワンは勿論プッツンする訳ですが、それこそ正に勇次郎の思う壷。お前、劉 海王が一瞬で斃されたの知らないんか、って感じですが、知らなかったんでしょうねえ。
 はい、ひっくり返されました。いえ…一気にです。…こう一気にドグアッて感じで。
 それはそれは見事なジャガッタで御座います。

 ムエタイ虐め此処に極まると言うか、板垣先生的には金的では物足りなかった様です。
 そりゃあ確かにジャガッタのやられ方に比べれば、先週の悶絶死なんかではとてもとても…と思いますが、それにしたって剰りに酷い。かつてジャックに『1日に2度敗ける奴があるか』と怒鳴ってましたが、更に短期間で2度負けたサムワンはどうなんですかね。そこはやはり国民性の違いでしょうか。
 ただそれでも、勇次郎は感情通りに動いたサムワンの方が郭 海皇より好きらしいです。
 珍しく『未熟ではあるが、間違っていない』等と相手を認める発言を残しました(でもサムワンは意識不明)。

 来週は休載との事で、また悶々とさせられる事になりますが、流石にもうサムワンは出てこないでしょう。と言うか、控え室で誰かの噛ませ犬にされる可能性を考えれば、むしろ此処でダウンして良かったかも知れない位です。
 突然暴れ出したドリアンの爆弾パンチでも喰らおうもんなんら目も当てられません。
 ……って、ドリアン(とオリバ)はどうなったんだろう。


第193話 『復活ッッ!!』

 

 残念ながらサムワンの事じゃ無いのですが。
 って、188話とタイトル一緒じゃないか。

 湯気刃牙。
 むんむん湯気を発しております。明らかに異常な量。小坊主?達が驚くのも無理は無い訳で。
 最大トーナメントでも決勝戦前にこんなシーンがありましたね。これ程じゃあありませんが。
 ふと思い出したのですが、アニメ版の刃牙は末堂との闘いがカットされていたのに、決勝戦前に梅やおからをかっ喰らう刃牙を見た末堂が『俺の時と同じだ』と謎のセリフを吐いていました。お前の時ってどの時よ。

 目覚める刃牙に梢江ちゃんの涙。
 相変わらず泣き顔の可愛くない娘です。しかも発射音は『ル…』。もう全然分からない。
 そしてそれを食べる刃牙。もう微塵にも分からない。

 で、もっと分からないのは烈さんなんですけども。
 確かに最近は壊れてきた傾向は有りましたが、起きあがって構えを取る刃牙を見て大喜び。
 『復ッ活ッ』
 『範馬刃牙復活ッッ』
 『範馬刃牙復活ッッ』
 『範馬刃牙復活ッッ』
 『範馬刃牙復活ッッ』
 『範馬刃牙復活ッッ』
 『範馬刃牙復活ッッ』
 凄い間抜け面で連呼。新手のオラオラか。
 お願いですから、烈さん位まともに居て下さい。
 烈がおかしくなったら、一体誰が梢江ちゃんを抑えるというのですか。

 とは言えど、我らが刃牙。
 『してェ…』
 『試合してェ〜』
 良いですね、実に良い。
 烈の壊れっぷりが気に掛かりますが、確かに完全復活です。
 でも刃牙はさっき闘ったばかりでまだ試合は来ない訳で、その間に萎えてしまわないか新たな問題が。
 仕様が無いので、会場から出て外をウロウロ。
 偶然その辺を歩いていたムエタイ使いをデコピンで、『しゅっしゅっ』と。
 或いは、控え室で愚痴を垂れていたムエタイ使いをぐしゃぐしゃに。
 血には逆らえません。

 梢江ちゃんの所為で最後まで聞き取れませんでしたが、どうも烈の言う事が正しいとなると、毒を克服した事で刃牙がパワーアップした可能性はとても高い模様です。
 重要なのはどれ程パワーアップしたのか、です。
 これで勇次郎を超えていたら笑えますね。微塵にも笑えません。
 一応刃牙はそれなりに強い訳で、それで尚パワーアップしたとなると、一体どの程度アップしたのか。
 擂台賽には強さを計る事が出来る比較対象が居ないので、実感が剰り湧かなそうです。
 今更控え室に戻ってサムワンを殴る訳にもいきませんし。
 となるとオリバかな。オリバと練習試合。
 彼は擂台には登録していないようですが、闘いたいという欲はあるでしょうし。
 以前闘った時は歯が立たなかったオリバとどの程度やり合えるか。今後の指針にもなるかも知れません。

 で、擂台の方は何か観客がどよどよしてると思いきや、そこに佇むのは飴を愛する70歳。
 遂に出て参りましたドリアン 海王 with ビスケット・オリバ。
 最後のコマは異常です、異常過ぎます。
 虚ろな目でヨダレを垂らしながら飴を舐めるドリアン 海王 with それを満面の笑みで見守るビスケット・オリバ。
 有り得ない構図が有り得ないまま展開しております。

 今週はオリバの―――じゃない、ドリアンの登場で終わっていますが、来週はドリアンが闘う模様。
 と見せかけて、相手の強さエピソードで終わる可能性も大。
 ページを捲ってみたらオリバが相手を圧縮している可能性も捨てきれないので、油断は出来ません。

 どうも今週は何時にも増して文体が妙ですが気にしないで下さい。


第194話 『キャンディー』

 

 何がバキって、キャンディを舐める描写に1ページ丸々使うその姿勢がバキだと言うのです。
 『カロ…コロ…』→『ニマァ〜』の下りなんか凡百の漫画家では100年掛かってもワカりゃあしません。
 褒め言葉かどうかは微妙なんですけども。

 大体、オリバがそのドリアンを観ながらニヤニヤしてる事の問題性について、未だに説明が微塵にも無いのがバキ過ぎます。
 言うまでも無く、彼が海王としてのドリアンの付き添い(監視)で来ている事位は想像つきますけども。それに至った経緯の説明位さっさとしてください。飴舐めるのに1枚使ってないで。

 で、もっと問題なのが観客共。
『あのドリアンって…なんか』
『ヒョッとして』
『ふつうじゃないッ…つ〜か』
『ねェ』
『ふつうさ』
試合場で飴喰わねェッて
 そっちじゃねえだろ。

 突っ込み処が明らかに違うと思うのですが。
 70歳の海王(白人)が、焦点のずれた目で飴玉舐めてニヤニヤしてるのを観て、どうすれば真っ先に試合場で舐めてる事について疑問を感じるのでしょうか、この刃牙世界の住民達は。
 一般人ですらこうした異常性を持ってるのだからどうしようもない。
 この人達は間違いなく地下闘技場の観客達と中の人が一緒です。

 で、漸く分かったドリアンの相手は楊 海王。
 この華の無さは以上です。どう考えても当て馬そのもの。
 今週こそドリアンを圧倒していましたが、次の回のラスト辺りで重いのを一撃貰って、その次でボコボコにされて死ぬのが目に見えています。
 ドリアンが此処に来た経緯等が語られない限りは、後2、3話の命なのは確実。
 嗚呼、さようなら楊 海王、さようなら、さようなら。

 気になるのは、吐き出してしまったキャンディでしょうか。
 昔のドリアンなら、このキャンディから超高性能爆弾とかアラミド繊維とか酸とか出てきても不思議は有りませんが、きっとこれは単なるキャンディ。これを食べたいがためにドリアンが大復活。
 要するに、砂と混じったキャンディが唾液と化学反応してスパーク、裏返って元通り。

 烈先生大喜び。
『ドリアンは蘇るぞッッッよくやったぞオリバさんッッ』
『復ッ活ッ』
『ドリアン復活ッッ』×6
 烈先生うぜぇ〜。

 ところで今週一番面白かったのは、オリバ大先生の
『やっつけてやれ』
 でした。
 自分の役目の忘れっぷりが凄過ぎる。
 って言うか、ひょっとしたら板垣先生はオリバのキャラを忘れたんじゃないかという気さえ。


第195話 『これも武術』

 

 『嗚呼、本当にドリアンは負けたんだ』と、思ったのが最初。
 1ページ目のドリアンの大きさが明らかに異常だとか、オリバ大先生がキャンディ舐め直してる絵が可笑し過ぎるだとか、それを舐めてドリアン大復活はどうだとか、色々思う事は有ったのですが、何よりも『裏返らなかったのが残念だ』というのが正直なところです。
 今後、誰かの戦いを見て戻る可能性も有りますけども。ねぇ?

 で、オリバ大先生。
 こっちが本題なのですが、アナウンサー風に言うところの
『これもまたッッ』
『これはこれで立派な予定調和の姿と言えましょう!』
 といったところ。

 バキという漫画に置いて、今現在オリバ程『バキ』してるキャラは居ない筈なんですよ。
 筋肉だけに完結する肉体。筋肉・オブ・筋肉。マッスル・オブ・マッスル。そもそも、バキという漫画は即ち『筋肉』なので、筋肉の化身たるオリバ大先生が『やっつけてやれ』なんて言って収まってる現状がおかしかった訳で。
 こちらとしては、何時でかい人をジャガッタするのか何時太い海王をジャガッタするのか何時タイ人をジャガッタするのか楽しみで楽しみでしかたなかったので、今回の展開は諸手で歓迎致します。

 って言うか、楊 海王の負け臭の強さは異常過ぎます。
 あの一々食って掛かる態度は非常に好感が持てます。
 しかし、楊 海王はグラップラーとして剰りに不完全過ぎる。
 見た目に華が無い、拳法名(金剛拳)に迫力が無い、汗を掻いた場合は勝ち目が無い、そもそも相手がオリバなので勝機など有る筈が無い。以上の理由で、グラップラーとして不完全だッ!
 但し、海王―――ジャガッタ要因としては、上記の理由はそのまま全て期待要因となります。
 詰まりは郭 海皇の前に立ったサムワンを見た時に感じたあの感覚。
『間違いないッ!此奴は負けるッッ!しかしどうやって!?』

 推測するために、過去の戦歴を思い出してみましょう。
 現在までの所、オリバが登場して以来繰り出した『攻撃』の数々は、

攻撃

掛け声

相手

喰らった側の結果

パンチ

君は詰まらん

ジェフ
ビルから落下。胸にクレーターが空いて即死。

ラリアット

攻守交代だ

シコルス
ビルから落下。気絶して捕縛。

ジャイアント
スィング

ヌオォオォッ

ドイル
目がピヨピヨ。後、刃物で反撃して逃亡。

筋肉投げ

 

警視庁の皆さん
特に被害無し。但し、達人が黒帯をプレゼント。

ベアハッグ

しかも猛毒

ドイル
悶絶失神。そのまま捕縛。
 と言った感じです。
 見ての通り、特に『技』と言う『技』は無く、単純な物に集約されています。

 さて、この資料から導き出されるのは、『オリバは筋肉の王様なので小手先の技など不要』という点です。
 更に、バキの過去の資料から導き出されるのは、『予想何かするだけ無駄』という点なので、実はこの数行には何の意味も無い訳で、まァ結局の所は何だって良いからさっさと楊 海王をジャガッタして本戦に出てきて暴れ回って下さいとか思いました(妙な締め方)。


第196話 『ダイアモンド』

 

 先週の時点で確定した事なんですが、それにしてもリハーサル通り過ぎます。大笑い。

 ―――と、笑う前に少々話をまとめてみましょうか。
 先週、ドリアンが負けた時点での擂台賽の途中経過。

 1回戦:範馬 勇次郎 vs 劉 海王 …勝者:勇次郎 (顔面の皮を剥ぎ→蹴り)
 2回戦:マホメド アライJr vs 除 海王 …勝者:アライJr (股間に一撃、顔面に一撃)
 3回戦:範馬 刃牙 vs 李 海王 …勝者:刃牙 (化学反応でスパーク後、ラッシュ)
 4回戦:郭 海皇 vs サムワン 海王 …勝者:郭 海皇 (パンツを下ろして股間に一撃)
 場外:範馬 勇次郎 vs サムワン 海王 …勝者:勇次郎 (頭を床に叩き付け)
 5回戦:楊 海王 vs 怒李庵 海王 …勝者:楊 海王 (ラッシュ)

 結論から言いましょう。
 私(達)は、今大擂台賽に置いて、未だに『海王』が勝ったところを見た事がありません(海皇は字が違うので)。
 先々週及び先週の楊 海王vsドリアンの戦いに依って―――結果は非常に不服でしたが―――私(達)は漸く『海王』が勝つところを見る事が出来た、と思いました。

 が。

『ビスケット・オリバ氏が試合結果を不服として、楊 海王選手との対戦を熱望しておりますッッ』

 さぁさぁ、盛り上がって参りました。

 確か『納得できん』と不満を言い始めたのは楊だった気もするんですが、そんな事は捨て置いて。
 ドリアンという名の撒き餌に食い付いた楊のお陰で、遂に実現したオリバ大先生の擂台賽大乱入。
 これに依り、『海王と海王が戦ったのに、結局海王は勝ち残れない』という凄まじい事態に。
 海王達の明日はどっちだ。

 そんな事態だと言うのに、大張り切りで自分エピソードを語り始める楊 海王。
 先週は『貴様』扱いだったオリバに対し、
『オリバさん…だったな…。先に叩いてくれんか』
『わたしと君とでは戦力に差がありすぎる
 うすた京介風に言うところの『や、やりよった―――!!!』。

 素晴らしいですね。もう他に言うべき言葉が見付からない。
 此処まで華の無い男が、オリバ相手に此処までの発言をするなんて。
 あまつさえ、『木刀→鎖→大型車両の腹部通過→旧式カノン砲の炸裂実験→台風時の滝壺修行』に耐える魅惑のボディを御披露。
 素晴らしいですね、もう他に言うべき言葉が見付からない。

 って言うか、楊 海王は馬鹿です。褒め言葉でも侮辱でもどっちで取って貰っても構いませんが、もう一度言います、この海王は馬鹿です。そりゃあオリバだって『バカだぜアンタ…』と言いたくなるでしょう。
 詰まる話、楊 海王の特性とはその異常な『打たれ強さ』です(先週オリバに腕折られそうになっていましたが)。
 金剛化を旨とする、硬い身体にこそ楊 海王の楊 海王たる所以が有る訳です。

 オリバの筋力披露にうってつけ

 こんなにも相性の良い勝負が有ったでしょうか!と叫ばずにはいられません。叫びませんが。
 オリバも憎いですね、『わたしのパンチなど通用するハズもないのだが』なんて素敵な笑顔。

 そしてジャガッタの再来。

 片手で楊 海王を押し潰す我らがビスケット・オリバ大先生。
 効果音は『ベッシアァァ』。
 擬音語ですら無い音を立てて楊 海王がグシャグシャ。

 正にジャガッタの再来。
 素晴らしいですね。もう他に言うべき言葉が見付からない。
 勇次郎は『金剛がヘシ曲がってやがる』なんて言ってましたが、そういう問題じゃあありませんよ。
 ケチの付け所が無く、文字通りグシャグシャです。最後のコマのポーズなんか、ヨガを極めたって出来やしません。
 逆に『そんなに身体張らなくても』と言いたくなる様なグシャグシャ感。

 劉や除、李の様に、敗北後どうなったのか語られる事など無いのでしょうが、私(達)は決して彼を忘れません。
 って、敗北後にああなったサムワンの例も有るので、語られない方が良い気もしますがね。
 もう、本当に素晴らしい、と意外に言うべき言葉が見当たらないなあ。


第197話 『三合拳』

 

 先ずはオリバ。
 オリバと言うか、筋肉。
 むしろ肉。

 何時かはやるに違いないと思っていた、服を(筋肉で)裂いての(筋肉)ポーズ。
 文字通り、『これ見よがしの逆三角形ッッ』。
 膨れ上がる筋肉、飛び散る布切れ、巻き上がる砂煙、グシャグシャのままの楊 海王

 何が酷いって、1ページ目(扉絵除く)からずっと放置されっ放しなのが酷い。
 先週ラストのポーズ(?)のまま寝てる楊 海王。その姿はまるで新しいオブジェクト(打岩の類)。
 と言うか、デモンストレーションとか筋肉とかアンチテーゼとか筋肉とか叫び続けるアナウンサーを始め、誰一人として楊 海王の心配をしている素振りを見せないのは異常過ぎます。
 医者が来ないのは元より、小坊主達が駆けてくる事も無ければ、『グシャグシャになっている事』に対する言及すら無い有様。人としてどうか、という部分の疑問が湧き上がってくるのですが、ポージングしながら立ち去っていくオリバ(筋肉)に免じる事にしましょう。
 さようなら、楊 海王。さようなら、2代目ジャガッタ。
 私(達)は貴方の(塵屑の様に放置された)姿を忘れない。

 で、陳 海王vs寂 海王。

 語る事の無さそうな試合です。
 どう控え目に見ても陳が負けるのは目に見えている訳で(最初にラッシュする方が負ける法則)、相手が勇次郎でもジャックでもオリバでも筋肉でも無い以上、板垣的な敗北の絵は期待するだけ『無駄』の一言。
 やっと『海王』が勝つな、という事位しか語る事がありません。
 気になったのは、2人とも顔が変わり過ぎてないか?という事だったりするんですが、それは置いといて。

 問題なのは、残りの海王です。
 残りは紳士っぽいのと太いの、そして我らが烈と件の範 海王。

 明らかに『捨てキャラ臭』の漂う前者2人が、明らかに『主要メンバー』となるであろう後者の2人とぶつかり合えば何の問題も無いのですが、前者2人同士の戦い、後者2人同士の戦いとなると困った事態となります。

 何故なら、私(達)は『範 海王は負けない』という確信めいた予感を抱いているからです。
 その理由は敢えて語りませんが、範 海王が負けない以上、相手が烈だったら烈は間違いなくジャガッタされます。
 まるで因果応報の様に、一撃の下敗れ去る可能性さえ0では無いのです。むしろ100に近い。

 敢えてあの捨てキャラチックな2人を戦わせてまで、人気キャラである烈を1回戦敗退させる様な展開なんて、普通の漫画ではまずやらない事ですが、そこはこれ、板垣漫画の板垣漫画の所以。
 わざわざ華の無い試合をやってまで烈をグシャグシャにする可能性が大きいのがアレなのです。ブルブル。
 まァ、仮に烈が前者2人と戦って勝ったとて、2回戦メンバーは勇次郎、アライJr、バキ、郭 海皇、オリバ(筋肉 海王)、寂 海王、範 海王。剰り勝てそうな気がしない訳ですが。

 後、ラストで刃牙と勇次郎が対面していますが、いつも通り大して意味は無いと思います。
 きっと3〜5ページ、意味深な(でも結果的に無意味な)会話をして終わる事でしょう。
 今までだってそうだったんですから、今回もそうに違いない。
 ―――と、騙される前に手を打っておく浅はかな己。


第198話 『ヘッドハンティング!!』

 

 正直、『また板垣 海王のハッタリが始まりましたよ』という感じ。
 ある時は盛り上げるだけ盛り上げて―――
 ある時は引っ張るだけ引っ張って―――
 ある時は掻き回すだけ掻き回して―――
 散々期待させるだけ期待させて、一気に熱を冷ます様な展開を繰り出してくるのは、板 海王の常套手段です。
 そこに勇次郎が絡んでくれば尚更で、そこに勇次郎との対決が絡んでくれば確実に。

 基本的に、勇次郎がメインメンバーとしっかりと戦った事と言うのは2回しかありません。
 幼少時代の刃牙との一戦と、地下闘技場での独歩との戦いのみ。
 基本的には一方的なジャガッタ(虐殺)か、邪魔が入る、興が冷める等の理由に依る戦闘中断。
 それも彼の持つ出鱈目な暴力性を考えると『仕様が無い事』と割り切る事も出来るんですが、割り切れるが故に『だったらメインキャラと絡ませてもどうせ』という気持ちを起こさせてしまう訳です。
 要するに、『ここに来ていきなり刃牙に『一騎打ち』とか言われても』みたいな。
 どうせ、『また有耶無耶にされるんでしょ』みたいな。

 仮に戦うとして、勇次郎に敗北してから4年と10ヶ月(ジャック登場時に平手で吹き飛ばされた事はカウントせず)。
 刃牙が4年と10ヶ月で12倍、否、256倍強くなったとて、それで勇次郎に届くのか、と言われればかなり疑問です。
 何せ相手はあの勇次郎。
 言葉を解する前から産婆の達人に勝負を挑み、己が母親に授乳を強要し、親愛なる砦のプッチ神父も嫌がるヤドクガエルを握り潰す、生まれたその日から勇次郎だった男。
 そこに生物が存在する限りは戦わずには居られない、正に『暴力』を絵に描いた様な男に、梢江ちゃんとSEXして毒が裏返った程度の刃牙が挑んだところでとてもとても。
 せめて、ジャックが勇次郎を真似て白熊をグシャグシャにしたのを見習って、控え室のサムワンをグシャグシャにする位の試し斬りをしない事には始まらないと思うのですが。

 どうでも良い事ですが、先の『勇次郎誕生』の事を思い出しながら、『勇次郎の学生時代はどうだったのだろう』とか思いました。いや、生まれた時に既に『ああ』ですから、幼稚園時代でも良いんですけども。
 運動会はさぞや凄惨な事になっていただろうなあ。
 走り幅跳びで砂場を飛び越した程度の刃牙なんか目じゃありませんね。
 大玉転がしでは大玉を拳で殴り飛ばし、玉入れでは他チームの球も全て奪い取り、徒競走では他の競技者をジャガッタしてからダッシュする。借り物競走では持ち主の皮膚ごとアイテムを奪い取り、騎馬戦では馬役の生徒をジャガッタした後に頭皮ごと赤白帽を奪い取る始末。
 まるで過去を思い起こすが如く、勇次郎の蛮行が浮かんできます。
 って、学校に行っていたかどうか危うい気もしますが。
 連立方程式の説明を聞いてる勇次郎とか厭だし。

 っつか、生まれた日にヤドクガエルはあんまりですよ、垣 海王。
 確かにバキという漫画においては、自然界の動物を虐めるのは強さを語る材料としてよく使われるものでありますが、誕生した時点で『ああ』だと、幼稚園に通っていた頃や、小学生の頃は何を虐めていたのですか。あの調子だと、生後半年で犬・猫は蹴り殺していそうな気もするんですが。

 だから言っているんですよ、そんな男に勝てる生物が存在する筈無いって。
 病原菌や細菌ならどうにかなるかも知れませんが―――ヤドクガエルがああだもんなあ。
 やっぱり、化学反応がスパークした程度の刃牙で相手が務まるとは思えない訳です。

 因みに陳と寂に関しては、青田刈り云々以外は予想通りもいいとこなんで、剰り思う事も有りませんでした。
 強いて言えば、寂に『独歩の衣を着た達人』と言うイメージを持った程度。
 勇次郎は何で今まで奴を放っておいたんだろう。


第199話 『失せろッッ』

 

 何にせよ、最初から刃牙が勇次郎に勝てるなんて思っていないんで、こういうネタでページを潰すのは止めて頂きたい訳ですが。
 いや、実際『誰かが勇次郎と戦う』というのは非常に興奮する展開なんですが、今回の場合はあからさまに『有耶無耶にする度』がほとばしっておりましたので、予想通りの事を予想通りにされても、みたいな。あーあ。

 面白かった事と言えば、吹き飛ばされた刃牙を見下ろす道行く中国人でしょうか。
 壁を突き破って転がってきた(上半身裸の)日本人を見て、「ダウジョウブかね…」て。
 吹っ飛んできた刃牙も異端なら、汗1つ掻かずに声を掛ける彼もまた異端です。まァ、或いはあまりに突飛過ぎる出来事に、あんな(ある意味まともな)リアクションしか取れなかったのかも知れませんけども。

 しかし、擂台賽ってのは本当に『公の大会』なんですね。
 どうしても『最大トーナメント』の性質が頭に残ってしまっている様で、刃牙の言や、郭 海皇vsサムワン戦後の記者会見(?)、そして今回の会場の位置に多少の違和感を感じてしまいます。
 と言うか、顔を引っ剥がされた劉やら、プルンっとなってブランとなってグシャッとなったサムワンやら、ベッシャアとされた楊やら、公の大会にしては少々ロウ(法)を無視し過ぎてやいませんかね。
 仮に会場にカメラが有るとして(少なくとも記者連中はカメラを持っていた)、サムワンのプルンッだったら婦女子が赤面する程度で済むでしょうが、楊のベッシャアは明らかにモザイクものだと思う訳で。
 アレを見てゲラゲラ笑えるのは、ヤドクガエルを潰してはしゃいでいた勇次郎くらいなもんです。

 そう言えば、何か劉が生きてるっぽいのは分かったのですが、その他海王達(主に楊)はどうなったんでしょう。
 この擂台賽、始まりが唐突だった様に、試合もパッパと進んでいく所為で、話の裏側―――と言うか、要は各海王達の繋がりや、人となりが全然分からなくて、今一つ話に広がりを感じません。
 例えば、『範 海王と李 海王が兄弟』という設定の必然性とか(まァ、兄弟が居る、という事にして巨凶の血のカモフラ―――ゴホッ、何でもありません)、皆は顔を合わせた事が有るのかとか。
 それこそ刃牙の言う通り、『大擂台賽なんてどーでもいいこと』なんて板 海王は思ってるんじゃああるまいな。
 …、自分で言っておいてナンですが、毒が裏返った時点で…まさか、いや…ひょっとして…?

 後、小坊主が烈に「站椿…。いったい何時間そうして…」とか言ってますが、多分小一時間くらいだと思います。
 何せ、烈は暫く刃牙につきっきりで「復活ッッ」とか叫んでましたし。
 その直後から入った試合が、ドリアンvs楊、オリバvs楊、陳vs寂の3試合。その3試合の殆どが一瞬で(オリバvs楊に関して言えば1分にも満たず)終わってますから、仮に刃牙復活直後から烈が站椿してたとて、『何時間そうして』とは言えなそうな気がします。
 まァ、試合の度に(楊を片付けたり)擂台の掃除も必要でしょうから、それなりにインターバルとか入っているとは思うんですけども。

 それは置いておきまして、わざわざ烈の(汗まみれの)背中を描く位ですから、烈は来週で死ぬ気配。
 よもや、垣 海王が「白林寺を背負う!」なんて締め方をした烈を普通に勝たせる筈が無い。
 それはもう因果応報が如く、それはもう何度も申しています通り、範 海王に一撃で殺されますね。一撃で。
 或いは劉の様に、残虐系の殺され方をするかも知れません。何せ、巨凶の血はそういう事が大好きですから。
 これで普通に太い海王が出てきて、普通に問題無く烈が勝ったらキョトンとする他無いですし(逆に、普通に太い海王に負けてもキョトンとする他無いんですけど)。

 どうでも良い事ですが、未だに中国人が1人しか勝っていません。


第200話 『激突ッッ』

 

 キョトン。

 

 ふと、最大トーナメントの頃の烈を思い出しました。

 肌の黒い不思議な中国人、烈 海王(本名:烈 小龍)。
 控え室で克巳に向かって、「我ら中国拳法を差し置いて空手が最強とは何事だ」と突然キレる事で、存在感を存分にアピールした烈老師。
 1回戦でタクタロフを「君らの居る場所は3000年前に通過している」「全力を出そうとした私も大人げなかった」と小馬鹿にした後、天蓮華一撃で決める烈老師。
 2回戦では斗場さんに「1分で終わらせるつもりだ」と宣言し、実際それをやってのけ「まだ数秒残しているが」と更に挑発する烈老師(因みに、劉 海王が烈の事を「どこぞで蛮勇でも奮っているのであろう」と語っているのはこの時の事である)。
 3回戦では克巳を一撃で吹き飛ばし、「タフネスだけは賞賛しよう」と小馬鹿にした後、「2000年前に通過済み」と精神ごと克巳を粉砕する烈老師。

 死刑囚編では、「いかなる理由が有っても同門対決は許されません」とぬかしておきながら、片腕・両足を負傷していたドリアンの顔面にあっさりと一撃決めて幼児退行させた烈老師。
 エレベーターで出会ったドイルに対し、ドイルが何も言っても「私は構わん」の一点張りで話すら聞かず、あまつさえ「貴様は中国武術を嘗めた」と濡れ衣を着せ、飲食店で刺したり火を吹いたり刺したり刺したりの蛮勇を奮った挙げ句、路地では殴る蹴る斬る抜く殴るの暴行を加えた烈老師。

 今思うと、烈老師の歴史は、一方的な勝負&決め台詞の歴史だった様に思います。
 まァ、『一方的な勝負』に関しては死刑囚編の病気…そう、病気だった様にも考えるのですが。

 正直、今週の展開は『やはり烈は強かった』とホッとする反面、『その他海王達』の剰りの魅力の無さというか、『その他大勢』ライクな描写にガッカリさせられます。
 特に今回の孫 海王は、板垣漫画にしては珍しいタイプの美形系で、何か静かな存在感とでもいうものを感じさせてくれたんですけどね。今までに無い動きを見せてくれるかな、とか。両手の指輪にしても、ただのデモンストレーション用で終わっちゃいましたし。
 と言うか、震脚だけで『ビクッ』となってる孫を見た時既に決着が付いていた訳ですが、それでタイトルに『激突ッッ』なんてつけるから、本当に板垣 海王は何を考えてるんだから分かりません。

 これで残ったのはデブの毛 海王と、件の範 海王のみ。
 う〜ん、モチベーションが凄い勢いで下がる訳ですが、そこんとこどうでしょう。


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