第201話 『中国連合軍』

 

 してやられた感は非常に大きいですね。
 半ば投げやりに毛vs範の瞬殺試合をやるものだとばかり思っていましたが(毛に関しては正に瞬殺でしたが)、よもやこんな事になろうとは。
 半ば当たり前の様に2回戦の組み合わせもシャッフルするものだとばかり思っていましたが、まさかこんな事になろうとは。

 とは言え、経緯こそ予想外でも結果は予定調和の域を超えていないので全然構いません。むしろ大歓迎。
 上記の通り、毛が瞬殺されるのは分かっていた事なので、別に相手が範であろうが海皇であろうが関係有りません。まァ、範の試合が見れなかったのは多少残念ですが、それは後程に取っておきましょう。
 2回戦以後の組み合わせに関しましても、現状のままだと詰まらない組み合わせが幾つか出来上がっている以上、シャッフルや乱入の形でよく分からない事にされるのは目に見えていたので、こういう形で予め崩す事を明確にされた方が気持ち良いです。
 尤も、投入された新キャラが『2人』という事は、どちらかが勇次郎か勇次郎か勇次郎にジャガッタされる可能性が非常に高い訳ですが(ところで、『親友の龍君』とやらは寂かアライJrと良い戦いをしそうな気がする)。

 問題なのは、遂に本性を見せ始めた郭 海皇です。
 何か悟りを開いた爺さん風に装っておきながら、相当の俺イズムの持ち主の模様。
 「海皇の名を外に出してはならぬ」って、勝手に連合軍を創るその蛮勇はどうか。
 武術省3人の手をぶった斬る罰の与え方にも、先のインタビューの時のデコピンの威力が嘘だった事を感じさせます。きっとサムワンに決めた時は(相手がタイ人(no中国人)だから)、全力デコピンを決めたに違いない。

 まァ、武術省の3人は斬られても当然と言えば当然かも知れません。
 組み合わせももう少し考えてれば―――とは言え、立て続けに外国勢が出た事を考えると、武術省としては外国勢を1回戦で潰す目論見でも有ったのかも知れませんが―――勝ち残った中国人の数を増やす事も出来たろうに。
 どうでも良い事ですが、串刺し→ぶった斬りまでの流れる様な展開&表情はコントっぽくて笑えました。

 話が逸れましたが、郭 海皇。
 奴はこれから、間違い無く全力で来ますね。
 力加減が全力かどうかでは無く、要するに『パンツ下げてデコピン』なんて真似をせずに、骨を砕く掌底なり、四肢を切り裂く手刀なり、空を飛ぶなりして活き活きと海皇の世界を繰り広げますよ、確実に。


第202話 『心意気やよし』

 

 先ず言わせて下さい。
 今週号を読んで、何だか『この感覚』を味わった事が有るなあと思いました。
 凄く考えたんですよ、何処でだったかなあ、と。
 ラスト前の見開きを見て閃きました。

 『嗚呼、これは死刑囚編が始まった時のアレだ』

 結論から言うと、この展開を全力で支持します。
 正にあの時のあの感覚。
 あの頃はリアルタイムで読んでいなかったので、単行本でまとめて読んだのですが―――それでも、あの時の感覚に似ています。

 得体の知れない5人の死刑囚達が、それぞれ蛮勇を奮いながら東京に集結。
 警察や旧知のキャラ(ロブ、猪狩)や新キャラ(館岡)を軽々と屠る連中が、寄せ付けられる様に東京ドーム地下に集結し、見開きで向かい合ったあの瞬間(どうでもいい話ですが、館岡はつくづく雑魚だったと思う)。
 見開きで睨み合う構図といい、刃牙の気の抜けた貌といい、あの時のあの感覚に実に似ています。

 詰まる話、興奮状態な訳ですよ。
 首を吊られても死なず、看守達を蹴りで破壊し、ガソリンを浴びせられて火を付けられても死なず、独歩の右手を切り裂き加藤を破壊し末堂をジェットコースターから落とし独歩の顔面も破壊する等の暴行を繰り返し1年半にも渡って大暴れしたドリアンが、烈のたった一撃で幼児退行した事実を見ていても。
 ミサイル発射口を素手で登り切り、ガーレンを破壊し、館岡を切り裂き猪狩も切り裂いたり殴ったり小便かけたりしたシコルスキーが、ビルから落とされたり金玉潰されたりビルから落とされたり復活したけど刃牙にボコられたりジャックにボコられたりガイアにボコられたりして土下座で謝った事実を見ていても。
 電気椅子に耐え抜き、目隠しされたまま銃を持った看守を殴り殺し、ロブを瞬殺したり刃牙の学校に乗り込んできたりオリバにナイフ突き刺したり昴昇を爆破したりしてたドイルが、烈にボコられたりカラスに突かれたり独歩にボコられたり克巳にボコられたり柳にボコられたり海に落ちたりした挙げ句オリバにベアハッグで仕留められた事実を見ていても。
 ミサイルにも耐える特注の壁を素手で破壊し、看守をあっさり殺し、渋川老より一枚上手だったり、用務員に化けて刃牙を襲ったり答えは酸素もう遅いで刃牙を一度は倒したりしていた柳が、梢江ちゃんとくねくねした刃牙にボコられたりドイルに八つ当たりしても失敗したり本部に斬られたり刺されたり殴られたりしたあまつさえ勇次郎にジャガッタされたりした事実を見ていても。

 要するに、初登場時は散々強いと思わせておきながら、最終的には一方的にボコられるだけの負け犬になっていく姿を繰り返し見せられていたと言うのに、それはこの擂台賽でも繰り返されていたと言うのに、私(達)は板垣先生が生み出す強そうだったり悪そうだったり狂ってそうだったりする新キャラにとても弱いのです。

 狂獣・春成と凶人・書文。
 この響きですよ。
 如何にも強そうだし悪そうだし狂ってそう。
 勇次郎が反応してる位ですしね(何でも知ってる筈のオリバ大先生は無反応ですが)。

 って言うか、勇次郎コラ。
 この人は相変わらず、自分の立場が分かっていません。
 なーに普通に皆と並んでるんですか。
 良いから「愚の骨頂!」とか言って暴れろよ、っつー話ですよ。
 普通に5vs5とか言ってないで、提案された時点で「1vs5で十分!」とか言ってその場で烈をジャガッタしてこそ勇次郎じゃあないの?
 これで来週、普通に出番が来るまで待機とかしたらアレ過ぎます。

 で、刃牙と烈。
 まるで家系の所為で敵対関係に陥る恋人同士。況やロミオとジュリエット。
 そう言えば梢江ちゃんは何処に行ったんでしょうか?最近見かけません。

 後、「オイオイ、プレゼントノ意味ワカッテル?」のコマのオリバ大先生の丸顔は異常。


第203話 『日米連合軍結成!!』

 

 郭息子と烈の立位置が変わっとる。

 立位置が変わっていても、向かい合う面々は先週のまま、って事はこの組み合わせで戦うって事でしょうか。
 凶人・書文とザ・筋肉・オリバ。
 魔拳・烈 海王と空拳・寂 海王。
 狂獣・春成と妄想癖・刃牙。
 拳王・範 海王と意味不明・アライJr.。
 そして郭 海皇と範馬勇次郎。
 確かに妥当と言えば妥当な組み合わせに思えます。

 見て思ったのは、これでやっとアライJr.の死亡フラグが立ったかな、といったところ。
 何故なら範 海王が範馬一家以外に負ける気がしないし、負けないと思うから。
 毛 海王と戦わなかった所為で、底どころか表面すら見えてこない『覇王道』が不気味極まる。
 アライJr.とて今まで本気を出していませんが、もう2回も『猪狩アライ状態』やってるし、新キャラの通過儀礼である『瞬殺』もやっているので、もう板垣先生的に用は無いものと思われます。
 って言うか、彼は何で(この漫画に)居るのか不明過ぎ。
 前触れも無く突然出てきて、勇次郎と戦うのかと思ったら有耶無耶、刃牙と戦うのかと思ったらこの展開。
 でかい人(除 海王)と戦う前に、梢江ちゃんと再会して「私ト当タッタナラ…必ズ無事ニ終ワラセマス」とか言ってましたけど、結局アレは伏線でも何でも無かった訳ですね。ただ描きたかったから描いただけと言うか(そもそも、あの時点でこの展開を考えていたかどうかすら危ういのですが)。

 取り敢えず、中国サイドは全勝宣言している以上(オイオイ、プレゼントノ意味ワカッテル?)、いきなり黒星とかやらないと思うのですが、アライJr.と寂 海王以外に負けても良さそうなキャラが居ない様に見えます。
 強いて言えば、そろそろオリバ大先生が危ういかも知れない。
 今のところ筋肉だけで大暴れしてきましたが、先の楊ジャガッタで単純破壊の極みには達していますからね。
 よもや、この場に立つ様な面々を単純に壊す訳にもいかないでしょうし。
 腕の1本や2本はスコッと持って行かれそうな気もします。

 大笑いの勇次郎。
 勇次郎に関しては、勇次郎が負ける位勇次郎が負ける事は有り得ないので、特に言う事も有りません。
 郭 海皇が強いのも分かりますけど、間違い無く勇次郎はそれ以上に強い。
 だって『地上最強の生物』ですよ?海王とか海皇とかそういう次元じゃ無いんですってば。
 そんなの『スタローンとジャン・クロード・バンダムはどっちが強い?』とか言うのと同レベルな訳で。
 個人的にはスタローン(ロッキーの)が強いと思う。

 控え室。
 勇次郎の言葉を、普通に聞いてる日米連合軍の面々が面白過ぎます。
 もっと詰まらなそうな顔とか不満そうな顔とか不服そうな顔とか不愉快そうな顔をして下さい。
 何皆揃って『リーダーは勇次郎』みたいな態度してるんですか。
 こっちから見る限りそれも当然なんですが、貴殿らも立派なグラップラーなんだからもっと自己主張して下さい。
 『各人各様の想いを胸に秘め』って、勇次郎(と刃牙)以外どんな想いを秘めているのか不明なんですが。
 アライJr.に至っては先週から一言も発してないし。やる気無いなら帰れお前。


第204話 『生涯無敗』

 

 凶人・書文とザ・筋肉・オリバ。

 我々日本人はこの対決に飽くなき憧憬を禁じ得ませんッッッ!
 そして私(達)はこの度、この対決の結果を目にする事も出来ますッ!
 しかしッ!しかしですッ!
 この対決の結果を予測出来る者が居るのでしょうか!
 この熱いぶつかり合いが実戦の場で発揮されるのを見た者が居るのでしょうかッッ!
 刃牙世界の勝利はいつも気紛れの中ですッッ!
 板垣は気分で描くあまり先を考えて描こうとはしなかったのですッッッ!
 刃牙ファンはもうそろそろハッキリと言うべきなのですッッ!

 別に何も保護されていないので、ハッキリ言うべき事はありません(断言)。

 取り敢えず言える事は、本当に前の立位置同士での対決になるなら、勝敗の結果が読めない唯一の試合がコレです。
 何故なら、刃牙は負けないし(負けたところで3本勝負になって振り出しに戻る)、範 海王は負ける筈が無いし、勇次郎が負ける事は有り得ないから。烈と寂の対決は、試合結果を均す為の調整扱いなのは明かなので、書文が勝てば寂が勝つだろうし、オリバが勝てば烈が勝つ事でしょう。
 わぁ、何て事務的。何て投げやりな試合予想。
 でもきっとそうなるだろうな、と冷静に考える自分。

 真面目に考えると、烈が『全勝をプレゼント』とか言い放った以上、いきなり書文がグシャッとされるのは考えにくいのです。
 しかしここで問題なのは、試合前から履歴が語られてる今回の流れ。
 もうそれ以上語る事が無い訳で、何だか『噛ませ犬』としてのポイントだけを稼いでいる様にも思われます。
 詰まり、アナコンダを投げ飛ばしたガーレンや、コブラと戯れたサムワンや、旧式カノン砲の炸裂実験に耐えた楊の様な。
 『上げて落とす』と『壊す為に用意する』は板垣先生の基本中の基本です。

 ですがここで問題なのは、板垣先生には『飽きたら捨てる』癖も有ると言う事です。
 ジェフを殴り殺し、シコルスを投げ飛ばしてシコルスをビルから突き落とし、ドイルを投げ飛ばして柔道着着て大暴れしてドイルを抱き潰して楊をジャガッタした今、その筋肉の真価を見せる前に既に!板垣先生が彼に飽きている可能性は非常に高い。
 詰まり、独歩相手に大暴れした天内や、館岡や猪狩を瞬殺したシコルスや、刃牙を一度は倒した柳の末路の様な。

 結局、どっちが勝つか分からない、という事しかネタが無かったりする訳です。
 いえね、本当は裸(違)にTシャツ姿のオリバとか、なっ!?座ったままの姿勢!膝だけであんな跳躍を!とか突っ込みどころは色々あったんですけどね。小ネタだけに大して拡げる事が出来なかったと言うか何と言うか。


第205話 『闇拳法』

 

 擂台賽が始まって以来―――否、死刑囚編の花山vsスペック戦以来、漸く勝負らしい勝負が出てきた感じです。
 詰まる話、面白い。

 思っていた以上に書文のキャラが良い。
 ハンドポケットのまま戦う姿勢といい、一切目を合わせないスタンスといい、無口なところも最高にいい。
 実際この人、201話で登場して以来、誰とも目を合わせてないんですよね。目を合わせてないと言うか、顔自体あらぬ方向を見ている事が殆どなのですが。台詞も今回の「貫き手」が初台詞ですし。
 しかし何より、板垣先生からの愛の受けッぷりが貌に出ていますね。
 扉絵に選ばれた事は何より、貫き手後の貌の描き込みっぷりは勇次郎・オリバ級です。
 これはどうも、只の棄てキャラじゃあ無くなってきた感が濃厚です。
 勿論、何らかの形で最終的には噛ませ犬と化すだろう可能性も否定はしませんが。

 対するオリバ大先生。
 『仕掛けたぞッッ』のコマの貌がチンペーさん過ぎるとか、貫き手をナイフと勘違いしちゃたりとか、早速汗掻いちゃったとか、目がグルングルンになったりとか、今週はどうも醜態ばかりが目立ちます。
 って言うか、「胸が…まるでケツだ」とか「腕が頭よりデカい…」とか、そういう事は園田警視正が24倍は素晴らしいリアクションで通過済みなので、今更そんな事でページを使うのは止めて頂きたい。
 最早「肥満―――!?」から始まって「この腕のバカげた太さときたら…―――女性のウエストどころではない」を通過し、「刑務所の壁に…受刑者の巨大肖像画か。ハハハ…」で締めくくられる一連の流れは伝説です。

 話が逸れましたが、最期に登場しました我らが勇次郎。
 擂台賽編に入ってからというもの、本部の代わりを務めて頂いているのは有り難いんですが、「居合か…」って、分かり易そうで全然分からないんですけど。二階堂紅丸(敢えてアルデバランでは無く)?
 一応『居合』の意味を調べてみたところ、以下の通り。

 いあい 【居合】

 武芸の一。抜刀の瞬間に相手を斬る技。
 座った状態からの抜刀を基本とする。

 三省堂提供「大辞林 第二版」より

 要するに、ハンドポケットの姿勢を納刀状態に見立てて…という如何にも漫画的な『居合』なんでしょうが、だからどうしたよ、とか思ってしまう自分が居る訳です。いえ、別に飛天御剣流よろしく抜刀の鞘走りを活かす訳でも有るまいし、そこに強さの理由を感じないと言うか。
 最初からそんなに素早く攻撃出来るなら、何も一々ポケットに手を突っ込む必然性が無い様な気がするのです。彼の場合はそもそも素手で攻撃を行うのだから、何も刀の居合抜きの様に鞘に戻す必要は無いですし。それこそ折角の素手なのだから、どの体勢からでも居合出来るんじゃあないでしょうかね。或いは、慣れみたいなもので、ハンドポケットから攻撃に移るのが一番速いのでしょうか。

 実は視線を合わせないのも、ハンドポケットなのも次の行動を読まれにくくする為、という考え方も浮かびはしましたが、やっぱり只の癖っぽい気もするしなあ。単純にオリバを馬鹿にしてるとか。
 今一つ格闘漫画における『居合』の強さがよく分かりません。


第206話 『居合』

 

 昔ハマったギャグマンガで―――今も好きなのですが―――『行け!稲中卓球部』(通称『稲中』)という漫画が有りました。非常に有名で人気の有る漫画なので、皆さんも御存知だろうと思います。

 あの漫画の何巻だったかは覚えていませんが『大掃除』を題材にした話が有ったのですが、あの話のオチ…と言うか、ラストが非常に鮮麗に頭に残っています。
 それは、ヤンキー座りした素っ裸の中学生が3人で焚き火を囲ってるのを、古谷っぷり(通称古谷分)が凝縮された不細工主婦が目撃するというネタなのですが、そりゃああの主婦だってヤンキー座りした素っ裸の中学生が3人で焚き火を囲っていたら警察に通報したくもなるでしょうし、ただ「放火魔がいます」だけじゃあ事足らず「すごい放火魔がいます」とだって言いたくもなるでしょう。
 絵的なインパクトも面白かったのですが、あの主婦の反応も非常にツボに入りました。

 今週の『バキ』を読んだ時の自分の反応はあの主婦に近いと思う。

 オリバ。
 ザ・ハンドポケット・オリバ。
 ただ『変態が居ます』じゃあ事足りなくて、『凄い変態が居ます』と言わずには居られない。

 元々オリバ大先生が変態かそうじゃないかで問われれば変態であるのは明々白々なんですが、それにしても今回のコレは無いですよ板垣先生。
 何、その格好でその誇らしげな顔。
 いや、そもそも『それハンドポケットじゃねェよ』というのが第一なんですがね。
 観客(モブ)も煽り(編集)もナーニ澄マシタ顔シテ『ハンドポケット』トカ言ッテルンデスカ。
 明らかにハンドポケットじゃねェでしょうがよ(変な口調)。敢えて言うならハンドパンツ。

 何て言うか、変態とかどうとかじゃ無くて異常そのものですよね。
 『ビスケット”筋肉”オリバがズボッと音まで立てながら手をパンツに突っ込んだら、観客が歓声を挙げました』
 と、今週の粗筋を文章化してみて、改めて『うわ、異常』と思う位今週のバキは異常。

 後、ビスケット”肉”オリバは相変わらず馬鹿で困ります。良い意味でも悪い意味でも。
 当初オリバは『規格外の筋肉』+『超頭脳』がウリだった気がするのですが、筋肉の方は兎も角、なかなか超頭脳を方を見せてくれないのが玉に瑕なんですよ。
 日本に居た頃に達人と柔道対決した時も、達人の合気を警戒して「簡単には取らねェよ」とか言いつつ、何か策でも有るのかと思いきや普通に「取ったァ!」とか叫んで返り討ちに合った事が有りますが、今週序盤の展開はその時の流れと全く一緒です。「ポケットカラ手ヲ出サナイノデハナク、出セナイノダ」とか分析しておきながら、結局突っ込んで殴られてみる駄目っぷり。余裕なんだか馬鹿なんだか理解に苦しみます。
 まァ、その後の「鼓膜ニモウェイトトレーニングサセトクンダッタナ」の言を聞く限りでは、彼が馬鹿であるのは疑いようも無い事なのですが。

 話が変わりますが、人気投票でバキが1位だった事にも驚いたのですが、サムワン 海王が9位だったのを見てゲラゲラ笑いました。海王の中では烈に次いで人気2位。実質、新海王達の中で一番人気です。流石はサムワン 海王、悲劇の種族『ムエタイ使い』期待の新鋭『だった』だけの事はあります。


第207話 『神秘』

 

 先ずオリバ。
 ポケットに手を突っ込んだ意味が不明(あれをポケットと認める事にした上で)。
 『一体いかなる策が…!?』とか煽ってますが、無策そのもの。見様見真似居合でも見せてくれるのかと思ったら結局何も無く手を出してるし。一応『賢い』って設定を板垣先生が覚えているなら、これも何かの布石なのかも知れませんが、バキと言う漫画に置いて『殴る』とか『蹴る』とか以外に勝つ為の要素が出てきた試しが無いので(除:ドリアン)、きっとノープランだったのでしょう(板垣先生が)。書文の居合を思い付いて大はしゃぎして、オリバもパンツに手を突っ込む事をさせたまでは良かったものの、その次は決めてなかったみたいな。若手芸人の無茶状態。

 大体、先週まで散々殴られておいて、何で今更「ポケットニ手ヲ入レタママデモ先ニ当テチマウ。ソンナ神秘ハ信ジネェ」って何事ですか。アメリカ人だから体験主義者ってのもよく解らないし。
 取り敢えず、『貫き手』の傷の出血が既に止まっているのはオリバらしいと思いました。
 よもやアガサ・クリスティも、パンツに手を突っ込んで笑みを浮かべてる変態に『灰色の脳細胞を持つ男』のフレーズを使われる事になるとは思っても居なかっただろうなあ。

 『闇拳法使い』→『居合使い』と経て遂に『神秘』の人に格上げされた書文。
 「反撃できぬまでもポケットから手を抜くことぐらいはできるだろう」って、アレをポケットと認める訳ですか。
 何で誰も「パンツに手を入れた」とか「パンツから手を出した」とか言わないのでしょうね。
 言ったら言ったで禍々しい画が出てくる事この上無いでしょうが。


第208話 『ハンドポケット』

 

 相変わらず勇次郎が本部役な訳ですが。
 不思議そうな顔をする我が子の為に『居合』の解説までする良心的なお父さん。
 しかも、オリバに「持ち味をイカせッッ」なんて声援を送る始末。
 本当にチームプレイ初めてなんですかね。

 で、そんな最近キャラが変わってきた勇次郎の声援を無視して、再び変態ポーズを取るマッスル・オリバ。
 パンツに手ェ突っ込んで、「オッ始メヨウカ」と笑みを浮かべる姿は尋常じゃあ無いです。正に変態。
 客も客で「またハンドポケット…ッッ」とか言って、やはり誰一人として『パンツ』という単語を出さないし。
 ポケットというのは、『衣服に縫いつけてある物入れの袋(三省堂提供「大辞林 第二版」より)』の事を言うのであって、アレはどう見ても何処にも縫いつけてないでしょうに。確かにモノ入れと言えばモノ入れかも知れませんが、物を入れる為の袋と言うより袋を入れ(削除)

 パンツの話はもう良いとして、狂人vs筋肉。
 『猛攻を受けながら、それをモノともせずに重い一撃を返す』ってのは花山の常套手段ですね。死刑囚編のスペック戦(in 夜の公園)の時に代表される様な。
 あの対決の時も花山は『褌一丁』という凄まじい格好をしていましたが、黒パンツから(自称)『優雅に』ゆっくりと手を引き抜く様に比べれば未だマシというか、「慌タダシイ…コトダゼ…」とか言いながら、実は左手をパンツから出しちゃってたオリバ先生の運命や如何に。
 まァ、闇拳法だ生涯不敗だMr.不可拘束だと言ってる位ですから、書文もまさか『居合だけ』って事は無いでしょうし、何かこのタイミングで反撃しちゃうと、負ける様な気がするんですけどね。


第209話 『スマート』

 

 まだまだ元気だった書文が怒濤のラッシュを繰り出したけど、オリバ先生は耐え抜いて一撃を決めました。
 って、先週と内容一緒なんですが!
 思わず突っ込みを入れたくなる程、先週と同じ展開です。
 勇次郎も先週同様、ただの解説役。それどころか、「持ち味…イカしやがったなァ〜…」とか呟くその貌は明らかに驚き役のそれです。いやいや、「俺の言う事を聞け!」とか叫びながら飛び込んで、裏拳の一撃でグシャグシャにするのが勇次郎じゃあないのですか?
 前回、オリバが勇次郎の意見を無視した時点で、『ああ、これはきっと後でボコられるな』とさえ思っていたのに、ボコるどころか驚くなんてあんまり過ぎます。勇次郎にそんな感情が有るなんて。これも友情の成せる技なのか。

 それと気になったのが、アナウンサー。
 「ぜんぜん見えねェッ」とか「金的ィッ」てのは、観客が叫ぶ事じゃあ無くてお前が叫ぶ事だろう。
 この擂台賽のアナウンサーは地下トーナメントのそれと比べ、非常に質が悪いです。仕事を仕事と思っていないと言うか、ある意味仕事に忠実過ぎると言うか。名言を生まないアナウンサーなど、インクの切れたペン程の価値も無いという事を自覚して頂きたい。オリバが防御を捨てて両腕を広げる様なんて宝の山じゃあないですか。
 これであの地下トーナメントのアナウンサーが居た日には、唾を撒き散らしながら散々「筋肉は砕けないッ!」とか「筋肉が唸ってるッ!」とか連呼したに違い有りません。もう本当に狂った様に『筋肉』連呼で。

 話を戻して、このオリバvs書文ですが、何だかこのままオリバ先生が勝ちそうな気配ですね。
 先週は『書文もまさか『居合だけ』って事は無いでしょう』と書いたのですが、何だかもう板垣先生は書文に飽きてるっぽいので終わりだと思います(それに冷や汗は終わりの合図)。
 そうすると烈の『全勝』発言がいきなり破られる訳ですが、どうせ板垣先生はそんな事覚えていないと思うので、何事も無かったかの様に2回戦が始まるのでしょう。
 その2回戦で、アライJr.vs範 海王とかになって、アライJr.が一撃で殺されれば言う事無いのですが、別に勇次郎が光臨して一撃でアライJr.を殺すなら、それはそれで良いなと思います。


第210話 『心涼しきは…』

 

 心温かきは万能なり?

 結局、『本気になったオリバ先生には何も効きません』と言う結論。
 最近―――とは言っても、独歩vsドリアン辺りからですが、あの辺りから蔓延してきた『一方的パターン』或いは『瞬殺パターン』じゃあ無かった点は大いに褒めるべきでしょうか。
 開戦当初は本当に『どっちが勝つかな?』という気持ちにさせられましたし、オリバに「最後の最後までスマート」と言われるその敗北っぷりは、勇次郎に「敗けるにしても敗け方ってものがよォ」とか言われずに済む見事な負けっぷりでした。って言うか、あそこまで頑張るキャラは久しぶりです。窮地に陥って初めて笑みを見せるのもまた良し。
 実は、『最初に攻めまくった方が負ける』パターンにガッチリ一致しちゃってるんですが、それは見なかった事に。

 問題なのは、烈の「我が中国連合軍の全勝を約束しよう」発言が一戦目で終わっちゃった事なんですが。その全勝のプレゼントがこの5vs5のチーム戦の条件だったのに、もう駄目JAN。
 となると、書文は控え室(或いは医務室)に戻ると、郭 海皇のお仕置きタイムが待っている可能性が出てくる訳ですが。何せ、あの老人は『海皇』の名を海外に持ち出されたく無いが為に書文と息子を呼び寄せて、毛 海皇を『アクシデント』の名の下に退場させる程の蛮勇。幾ら親友とは言えど、いきなり自分の計画を台無しにしてしまった書文を許すとは考えにくい。
 そんな訳で、今後は中国側が負ける度にお仕置きタイムが始まるのが恒例行事に。
 で、連合側は連合側で、負けると勇次郎の勇次郎に依る勇次郎の為のお仕置きタイム。書きながら思いましたが、勇次郎は絶対にやると思う。それはもう鬼の様な形相で、しかも見開きで殴り殺したりすると思う。

 さて、一戦目が終わって今後の予想。

 ○ バキ vs 春成 ● … 『毒の克服』とか『14Kgの果糖』とか『復ッ活ッ』とかやりながら、今更負けられても。
 ● 寂 vs烈 ○ … 書文が負けた以上、烈が勝たないと最後に勝ち星2同士になるまいよ。
 ● アライJr. vs範 ○ … 勝負は一瞬。この頃になると板垣先生は勇次郎戦を描きたくてアライJr.に飽きてる。
 ○ 勇次郎 vs郭 ● … 勇次郎が負ける事は勇次郎が負ける位有り得ないと何度も何度も。

 とは言え、これで春成も負けると、新キャラ2人は負ける為に出てきた事になる訳で、板垣先生はそこら辺をちゃんと考えて居るんでしょうか。それとも、また乱入者が入ってきて滅茶苦茶にするつもりなのか(ジャックとか)。


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