バイオハザード2
発売元 カプコン
発売日 1998年1月29日
ジャンル サバイバルホラー


感想とか

 

 1996年、PSで発売し大反響を呼んだ『BIOHAZARD』の続編。

 より前面に押し出されたゾンビ、街1つという規模の広さ(実際には建物2つ)、新主人公2人に、ザッピングシステム、そして前作を越すクオリティのポリゴン、画面空間。

 何より前作の売れ方に味を占めた(違)CAPCOM様の強力な宣伝効果のお陰で、前作同様にミリオンヒットを向かえ、名実ともにCAPCOMの次世代機産業の顔として『BIOHAZARDシリーズ』が確立した、記念すべき一本です。

 って、こんな事書いてもしゃーないですね、ってか前回と同じ文句だし<記念すべき一本

 

 

 途中色々在り、当初雑誌に載ってたモノと仕様・内容が変わったりしたんですが、何はともあれ、ユーザの期待に応えて出たバイオハザードの続編なのです。

 ホラーの初代、シナリオの2、アクションの3、として私はBIOHAZARDシリーズを捕らえているわけで、この2はシリーズ中一番シナリオ面で楽しめたゲームだったと思います。

 

 今回のウリは、『前作よりも増えたゾンビ』『謎の敵モンスター・G』『ザッピングシステム』辺りだと思うんですが、このザッピングシステムがゲームを非常に面白くしてます。

 このザッピングシステム、2人居る新主人公のどちらか片方でクリアした後、そのクリアした主人公がウロウロしていた間、もう片方の身に起こっていた事を楽しめる、ってなもんなんですが、このシステムのお陰で、1つのシナリオを2度楽しめます(ありがちな言い方)。

 そんなシステムが前提にある上のシナリオですから、前作の洋館脱出よりもシナリオが練られてて、その分濃さが在り、登場する様々な人間の思惑、製薬会社アンブレラの謎、ウィルスの脅威などが巧く描かれてるワケです。

 まァ、実際は、最初の主人公が解いたはずの仕掛けをやらされたりする矛盾が多く、全然ザッピングじゃないんですが、その辺はゲーム的に成功しているのでOKです。

 

 また、この主人公2人が、片方は前作でS.T.A.R.S.が所属していた警察署の新顔だったり、もう片方が前作主人公・クリスの妹だったり、更に前作で名前だけ出ていたキャラの登場など、物語に繋がりを見せたりする一方、前作をやっていなくても楽しめる導入部、シナリオ作りなど、新旧ユーザー共に大事に扱ってるのが分かって凄い好感が持てます。

 前作でラスボス戦にロケットランチャーをくれたヘリのパイロット『ブラッド』がゾンビになって彷徨いてたのはショックなんですが。

 

 と、まァ、シナリオ部分は褒めてますが、その他については前作をやってると結構不満が残ります。

 人を驚かす事には、二作目にして既にこなれてるんですけど(行きは何も無い廊下なのに、帰りは突然窓から腕が伸びてくる、とか、マジックミラーを割ってモンスター侵入とか)、前作の後半〜終盤の展開と同様に『ゲームとしての作業』を強いられる展開が続き、『サバイバル・ホラー』の名はかなり名負けになってる感じが強いです。

 それは偏に、このバイオシリーズの要素である『謎解き』の所為なんですが、これが殆ど前作と一緒である事、また前作程脱出に対して『危機感を感じない事』に依るものが大きいです。

 19歳女子高生がナイフ一本で斃せる様なゾンビ相手に、何故マシンガン装備の機動部隊は全滅してるのかとか、そもそもあんなトイレも無い警察署が在るのか、って話ですけど(元々美術館だったのを改築した、って言ってもかなり無理がある)、何より『マンネリ』ですし、『ゲーム』を意識し過ぎて、精神的余裕が非常に大きいです。

 

 相変わらず扉を蹴破る努力もせずに、だらだらと木造のドアの鍵を探して回る馬鹿な警察官、卑屈な人間が集まって作ったとしか思えない警察署の仕掛け、その仕掛けに強引な理由付けするためだけに存在してる署長、ホラーって言うかただグロイだけのモンスター達、そして短時間クリアが出来るために『明確な攻略手段』の存在してしまったゲーム内容。

 『ゲーム』としては仕様の無い事ばかりですが、最後の部分は『サバイバル・ホラー』を唱っているワケですからちょっと問題を感じます。

 いえ、攻略手段というのは勿論前回も在ったんですけど、『洋館攻略』と『ゲーム攻略』の違いと言うのでしょうか、分かりにくいニュアンスですけどね。

 前作と殆ど一緒の仕掛けや、『後半は研究室に行き、自爆システム起動、ボスを強力火器で掃討して脱出』って筋書きも、マンネリ感やゲームとしての作業感が強まってしまいます。

 前作だって、中盤以降―――寄宿舎辺りから『作業』って感じが強かったのに、今回はオリジナル性に欠ける分、結構タチが悪いです。

 

 つまり、シナリオ(ザッピング)重視にしたお陰で、キャラや根底に流れるストーリーを巧く見せ、バイオファンを増やす事には成功しているのですが、何度も言う様に『サバイバル・ホラー』では無くなってます。

 その代わり、ゲーム全体としては名作というのに値する作品になってるとは思うんですが。

 

 何より、クリアボーナス(短時間+セーブ無し+緊急用スプレー無しでクリア)のご褒美システムが健在ですし、今回はミニゲーム(アンブレラのキャラを使って、条件が限定された中のクリア)も在り、ゲーム自体を楽しめる様になり、前作よりも飽きさせない工夫というのを感じます。

 そのミニゲームでも今後のアンブレラを示唆する様なシナリオが語られていたり、ここでもシナリオ自体が楽しめますしね。

 

 バイオの中では多分一番難易度がヌルいゲームですし、上ではああ書いてますが、それなりにホラー要素も在りますので、まだバイオを体験した事の無い人は、先ずはこれから初めてみると良いかなあ、とか思ったり。

 詰まる話、良くも悪くもバイオの中で一番一般向けなゲームと言えると思います。


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