発売元:株式会社ズー |
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軽く紹介
Grand Theft Auto 2ことGTA2(以降本作と表記)は、やたらとぶっ飛んだゲーム内容で好評を博したGTAの続編です<当たり前
プレーヤーはギャングの下っ端(と言うか便利屋)となり、真上から見下ろした視点の街の中でギャングの依頼を遂行すべく、カージャックし、街中をブッチぎり、人を撥ねたり轢いたり、銃で撃ち殺したり火炎放射で燃やしたりロケットランチャーでぶっ飛ばしたりするゲームです。
時には警察に追われたり、他のギャング勢力に追われたりしながら、頑張って以来を遂行し、それぞれのMAP(つまりステージ)に決められたお金(点数)を稼いでクリアをするのが目的となります。
本作になっての変更点は、より画面のクオリティが上がり、ステージを昼間にするか夜間にするかのライティングの設定が可能になった事、明確にギャングの勢力・縄張りがMAPに存在する様になり、それぞれのギャングに対する信頼度という概念がついた事や、悪い事するための武器が増えた事、悪事を働いていると警察だけでなくS.W.A.T.まで出てくる様になった、というところでしょうか(加えると、警察の執拗さが前作を遙かに上回っています)。
更にネットワーク対戦時に、制限時間や、決められた数のプレーヤーの殺害で勝利という設定、警察出現の有無、といった対戦を面白くするための設定項目が増えました。
特にこの『警察出現の有無』は、対戦の面白さをとんでもない事にしちゃってくれるんですが、その件は後述で。
で。
相変わらずぶっ飛んでます、GTA。
MAPを取り仕切るギャング勢力の名前が『ヤクザ』だの『ザイバツ』だの『ロシアン』だの色んな意味でヤバイ感じが漂ってますし、BGM(前作同様、カーステレオの設定なので車に乗ってないと流れません)の中でもDJが『スキヤキ・テリヤァキィ・スキスキテリヤァキィ』だの『なんと私!テリヤキちゃんだよー!!』『ヤクザも敵か味方か分からねえのかよ!?』だのと、ほとばしる程素敵な声が流れてます。
ゲーム起動時の刺青が彫られた背中のアップ写真と良い、パッケージの金屏風と良い…ホント、良いセンスしてます。
肝心のゲームの方ですが、上でも触れた通り、3D描画がパワーアップし、前作より違和感無く高低差の表現が出来てるだけで無く、爆風のエフェクトや車同士がぶつかった時の火花など、その時々のライティング処理が凄く綺麗で、画面のパッと見が凄く鮮やかになってます。前作に比べ、多少スクロール速度が遅くなってるんですが、馴れると前作より全然快適です。っていうか、2になれると前作のスクロールが早過ぎて眼が大変な事になっちゃう程なんですが。
と、見た目だけが変わった訳じゃなく、今回はギャングの勢力が明確になった事で、前作の様に闇雲に依頼を受けるだけじゃ無く、多少頭を使わないといけなくなってます。例えば、ヤクザの依頼を受けていると、他のギャングからの信頼度が減るので、場合に依っては他勢力の縄張りに入ると問答無用で撃たれまくったりしちゃいます。
また、警察の執拗さが異常(この執念はかなり異常です。プレイヤーを殺すためなら、民間人を平気な顔して撥ねます。こっちはカージャックした位なのに、4、5人跳ね飛ばしながら登場するパトカーはかなりアレです)になっている点も。
前作同様、悪い事をしてると指名手配レベルが上がり、レベルが4を越すと主要道路・交差点での検問が設置されるだけで無く、本作初登場のS.W.A.T.チームが出撃!ロケットランチャー一発位じゃビクともしない頑丈なS.W.A.T.カーに搭乗したS.W.A.T.チーム(防弾チョッキ着用)がゾロゾロと追いかけて来ちゃったりします。チームなのでタチの悪さが警察(2人一組)の比じゃないのがポイント。因みに、本作の警察は前作の様に刑務所までプレイヤーを連れては行かず、その辺の道でパトカーから放り捨てやがります。
しかし、パワーアップしてるのはプレイヤーも一緒で、本作では前作の武器に加えて、ショットガン、エレクロトガン(発射時、プレイヤーの付近に居る対象物全てに対し電撃を照射)、手榴弾、火炎瓶、インスタントギャング(アイテム取得時、付近を歩いてる人間が武装ギャングとなり、プレイヤーを護るべくついてきてくれる)等、何だか『悪い事をして下さい』と言わんばかりの物が出揃いました。
加えて、車に搭載する車載マシンガンや、地雷、スリップオイル等の武器・トラップや、消防車に乗ってる時は放水が可能だったり、戦車に乗れば砲撃可能だったり、『大暴れして下さい』とと言わんばかりになってます。良いじゃあないですか、死の香。
そんなお陰で、相変わらず逃げ惑うだけの人々を、撥ねたり射殺したり燃したり出来ちゃうワケです(付け加えると、本作には『メッタ殺しタイムなる、名前で何するんだか簡単に想像出来るミニイベントも存在)。取り敢えず、火炎放射器や、ロケットランチャーの爆風の二次災害(?)等で、身体に火が付いたNPCの悲鳴を上げながら走り回り、白骨化する姿は必見です。
後、細かい事ですが、銃の弾丸が全般的に大きくなったので当て易くなってる他、体力がキチンと設定されているので、前作の様に撃たれて即死、って事も少なくなりました。流石に火炎放射やランチャーは即死なんですが。
さて、そして本作の最大のポイントは(まァ、前作もそうですが)対戦のパワーアップです。
特に前述の『警察出現の有無』のオプションが加わった事が対戦を『ヤバく』しました。
どんなモードか、ってのは名前の通りなんですが、この対戦に警察が登場というのは相当『危機』です。前作でネットワーク対戦をした事がある人は分かると思うのですが、このゲームの対戦は他プレイヤーを殺す事に集約されてます。そのタメにプレイヤーは他プレイヤーを常に気にしながら、武器の回収や車の選択、ついでに街人を殺したりするんですが、この警察出現モードでは、ストリーモードの様に殺人やカージャックに反応して警察が追っかけてくるモンだから、滅茶苦茶大変なのです。
『やった、ヤロウを追い詰めたぜ!』と、他プレイヤーとカーチェイスしているところに警察が乱入!目の前に敵が居るのに、自分の方が指名手配レベルが高い所為で真っ先に狙われて、車から轢き吊り下ろされる羽目に!しかも対戦時の警察は逮捕なんて甘っちょろい事はせず、その場で暴行を加えて殺害!追い詰めていながら警察の所為で…!なんて事が起こりうるのです。
逆に、敵に向かう前にワザと犯罪を起こして、警察を引き連れて行き敵も巻き込んでしまうなんて手もあります。指名手配レベルを4まで引き上げて検問を用意させ、他プレイヤーも自由に動けない様にするとか(基本的に、指名手配レベルの無いプレイヤーを警察は無視しますが、稀になんの気紛れか、何も悪い事してないプレイヤーを殺したりしやがります)。
この警察の存在のお陰で、単純に殺し合うだけで無い独特の緊張感&駆け引きが生まれた、と言うわけです。
尚、対戦の時のお勧めアイテムはインスタントギャングです。最大で6人くらいの部下をゾロゾロと引き連れて歩くのは見た目にも格好良いですし、実際戦闘に関しても期待できます。近くに敵プレイヤーとか警察とか居ると銃構えて走っていきますし。流石に複数人数で同時に銃を撃つと、相手が車に乗ってても爆破出来たりして、結構な戦力になります。
引き連れてる状態でリムジンなんかに乗るのもとても良いです。敵を追い詰めて、リムジンをバタンと降りる自分。続いてリムジンからゾロゾロ出てくるギャング達。主人公含め何発もの弾丸を同時発射!蜂の巣相手!素敵な画です。逆に、路地に追いつめられた時、リムジンから降りる自分。続いてリムジンからゾロゾロ出(略)、一斉射撃で相手の車を爆破!素敵な画です。
ギャングを連れて歩いているところに敵プレーヤーの車が突っ込んできて、自分以外轢き殺されたりすると怒りの炎っていうか、滅茶苦茶虚しくなります。この恨み晴らさでおくべきか。っていうか『絶〜〜〜ッッ対殺す!』みたいな。
ところでギャング諸君、何もしてない警察に発砲して挑発するのやめてください。死ななくて良いところで何度死んだか。
他には、戦車も結構お勧め。
大砲が撃てるってのも大きな魅力の一つですが、戦車の装甲のお陰で銃やマシンガン程度じゃビクともしませんし、路上の車もパトカーも消防車もベキベキと踏みながら走るその姿は圧巻の一言。正に『唸るキャタピラ飛龍拳』!<違う
ただ、『小回りが利かない』『一度止まると初動にラグがある』等の弱点はある物の、剰りに強いので乱用は危険です。複数人数で対戦している時、一人が戦車に乗ったら他のみんなでソレを食い止める、とかすると結構(というかかなり)面白いのですが。『俺がロケットランチャーが持ってくるまで持ってくれ!』『よし、地雷を仕掛けた!』『駄目だ、マシンガンじゃ歯が立たねっての!』とか騒ぎながらやるのが素敵です。
あ、書き忘れてましたが、ネットワーク対戦には注意が必要です。
と言うのも、本作のネットワーク対戦は、インターネットを介すると1vs1でしか出来ないと言う規制があるのです。あのゲームの対戦を骨の髄まで楽しみたかったら、同時に6人まで可能なLAN対戦をお勧めします。
いや、まァ6人でLAN対戦出来る環境なんかそうそう無いのは知ってますが…(私の場合も、知り合いの家の2台&ノートPCを持ち寄っての5台接続と、大学のゼミ室で4台接続が限界なんですが)。
―――と、こんな感じに、前作のぶっ飛びっぷりは言う事無く引き継がれてます。セリフの汚さやゲップアクションも健在ですし、前作にハマッた人間ならば問題無く楽しめると言い切れるでしょう。
洋ゲー好き、バイオレンス好きにはお勧めの一本です。