ブシドーブレード
発売元 スクウェア
発売日 1997年3月14日
ジャンル チャンバラアクション


感想

 

 一番好きな武器は何か、と問われれば間髪置かずに『日本刀』と答える私の前に、さながら白馬に乗った王子様が如く出現したゲーム『ブシドーブレード』。

 ブシドーで且つブレード。

 否が応でも期待は高まるわけで、雑誌などで紹介されていた『一撃死』も有り得る正に新なシステムに惹かれ、コンビニで予約までして発売日の朝に買いましたとも。

 それ程までに発売前から感じていたんです、このゲームに脈々と流れる『馬鹿の匂い』を。タイトルからして馬鹿ですけど。

 

 そして見事に、私の期待通り、文句抜きで馬鹿さ加減全開の最高の馬鹿ゲーでした。

 

 このゲームのウリは、前述の通り一撃死も有り得るシステムです。

 3Dポリゴンで形成された空間の中を走り回り、相手と斬り合うワケなんですが、その斬り具合、斬り場所に依っては体力とかそういうの関係無しに即死。

 同時に、足を切られれば動きが鈍くなるし、腕を切られれば武器の扱いが鈍くなるリアル志向(?)のナイスシステム!もげないの残念ですが。

 素晴らしい!実に素晴らしい。

 男らしいじゃありませんか、一撃の美学。

 って言うか、日本刀だけじゃなくて鈍器(金槌)も在るのには拍手。

 相手の頭をゴンッ!!て。

 殴られた相手も『おぅわーッ(死亡)』て。吾輩大笑い。

 って言うか、鈍器持ってのボタン連打―――カクカクしながら迫るキャラは異常。

 スクウェアさん凄いイカレっぷり。

 

 さて、そんなゲームシステム搭載のこのゲーム、一応格ゲーの様にストーリーモードと対戦が在ります。

 もう一個モードが在るんですが、それは後述。

 

 で、ストーリーモードなんですが、これがまた凄い。

 

 普通の格闘ゲームの様に使用キャラを選択した後、武器の選択を経て、試合開始。

 最初の相手キャラが出てきて、何か試合前の台詞を言い始めます。

 っていうか、この時既にこっち動けるし。

 これだけで厭な予感。

 

女『ソレでは』

 タッタッタッタッ(接近)

女『お覚悟』

自分『うりゃーーーッ!!!』

 ザクッ!!

女『あぁぁぁぁぁー(死亡)』

 

 がははははははははは!!!

 

 吾輩大笑い。

 

 何、このイカレたシステムは。

 相手が喋ってる途中でも構えてる途中でも、問答無用で斬り殺せます。

 もう、本気で笑いが止まりませんでした。

 こんなゲーム初めて。

 

 朝一番、自分の部屋で大笑いしました。

 これでこそ、朝っぱらからセブンイレブンに行って買ってきた甲斐が在ります。

 スクウェア最高。

 

 この後も、出てくる奴出てくる奴、みんな喋ってる最中に斬りまくってたら、卑怯者扱いされて、タイトルに強制送還。

 ブシドーに反する事(相手が構える前に斬る、背中を斬る、段差をよじ登ってる時に斬る)をすると駄目らしいんです、ストーリーモード。馬鹿正直に真っ正面から斬り合わないと駄目らしいんです。実に勿体ない。

 最初、何でタイトルに戻されるか全然分からず(卑怯者と言われるのに)、次の日雑誌で情報を得るまで、永遠と喋ってる相手を斬り殺し続けてました、笑いながら。

 まァ、全然『ブシドー』らしいトコロが在りませんから、こういった部分でぐらいブシドーらしくしたかったんでしょうね。

 ってブシドーを守らねばならないモードで、目潰し(砂)OKだったり、銃使いが出てきたりするんですけど。

 幾ら何でも、銃でブシドーは無いのでは。

 まァ、あまりの光景に逆に笑えたから『有り』ですけど。

 『死になっ』パンッ『おぅわぁぁぁ』て。大笑い。

 

 ところでラスボスの人、正座したまま長い事喋ってるので、うっかり殺した事が数回在ります。

 しかも何か偉そうにしてるので、立ち上がろうとした時に斬り殺しました。

 笑いました。

 白刃取り位してみろ、師範代。がははは。

 

 

 さて、対戦モードは置いといて、先刻後述と書いたモード、『チャンバラモード』の説明を。

 コレは、何処かの城の長い廊下で、100人斬りを行う狂気のモードです。

 下っ端侍や忍者や侍女、果ては殿様まで斬りまくる、本気でスクウェアがどうかしちゃったとしか思えない最高のモード。

 コレが凄いんです、ええ。

 体力メーターなんて概念の無い、一撃死の恐怖があるゲームで、100人斬り。

 80人目辺りからの敵の難易度は驚異的になり、何十分とかけてきた苦労が一瞬で水の泡に。

 最高の緊張感です、っていうか強すぎるんじゃボケ。

 

 それでも、100人斬ればあの銃使いが使用可能になる、ってんで凝りもせずずっとやり続けました。

 斬り続けました。

 70人目辺りに足を斬られたりして、片足引きずりながら、

『まだまだァ〜っ!!』

 とか自分で言って、端から見ると馬鹿みたいに感情移入して遊んでました。

 面白すぎ、このゲーム。

 

 

 さて、最後になりますが、このゲームの良さが一番光るのはやっぱり『対戦』です。

 所詮作られたアルゴリズムしか持たないCPUとは違う、対人戦の面白さ。

 って言うか、試合という試合が名試合、殆どが大笑いを起こしまくりです。

 叫びまくりながら刀を振り回して走り回るも良し、砂の目潰しやりまくるのも良し、死体を鈍器(金槌)で陵辱するのも良し、もう最高です。

 降参ポーズ取ってるキャラを斬り(殴り)殺す事まで出来やがるし。自由度の高さも此処まで来ると異常の一言。

 馬鹿ゲーの極みです、しかも最初は真面目に作ったっぽい馬鹿ゲーなのがウケル。

 あんなにハイテンションと緊張感を維持出来る対戦も珍しいのでは無いかと。

 スクウェア絶対乱心。

 

 

 一つ不満が在るとすれば、『このゲームにはグロテクスな―――』って注意書きがある割に、血が黄色いのだけちょっと。

 腕や首がもげないのは仕方無いにせよ、血くらいは表現して欲しかったです。

 弐で赤くなってた様な気がしますが、弐は一転してクソゲーになってましたし。

 カッツェなんて『死ィになァ♪』って馬鹿キャラになってたし。

 お勧めは一作目です。ええ。世間では評価が真っ二つですが、私は支持派です。


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