観ました。
感想。悪くは無いけれど良くも無い。60/100点。
アニメでDCS、しかもスネークの中の人に『煮込むこと七日七晩』とか言わせた功績は素晴らしいです。しかし、他が色んな意味で普通過ぎです。率直に言えば、『らしさ』が無い。
ネウロのキャラクターがアニメとして動いていて、台詞やネタは原作をある程度トレースしているという点においては確かに『アニメ版ネウロ』なんですけど、肝心の『作風』については原作の雰囲気が全く感じられないのです。『アニメらしく小綺麗に纏めてみました』という感覚は伝わって来ますが、この作品に小綺麗さを求めてる様なファンは殆ど居ない訳で、制作側もそれが分かっているからこそ最初にDCSを持って来たと思ったんですけどね。
それと、話の順序を変えるだけでは無く、細かく設定や展開を変えているっぽいのも違和感を感じました。
以下、原作からの変更点と所感を箇条書き。
- 既に弥子が雑誌で取り上げられる程に有名。
- アヤの事件を解決しているか否かは不明。
- 事務所は既に奪取済みで、吾代も事務所に常駐中。
- シュプリームSへは、至郎田からの依頼で向かった。
- 呼ばれて向かった為、ネウロの謎発生予知の失敗ネタ削除。
- 弥子は笹塚を知らなかったが、笹塚は弥子を知っていた。
- 下呂光や弥子父の謎解きを済ませていない可能性が高い?
- 『若菜』のたこ焼き出番無し。
- 「食の千年王国を創るのだ!!」が削除。
- 『魔界の様々な料理』ネタが削除。
- 「「食べる事はそれ自体が幸せだ」と。そんな事はこの僕でもわかるというのに」削除。
- エピローグまるまるカット。
- ネウロと弥子が邂逅を果たした際の問答「貴様は泣くのではなく笑うべきだ」削除。
何が気になったって、『食』というタイトルを冠しておきながら、この作品のテーマであろう『食』に関する台詞やシーンの数々を削除した事です。
ネウロの『僕でもわかるというのに』や『美味いか不味いか、多いか少ないか、それだけでいいのだ』は、魔人のネウロと人間の弥子を繋ぐ重要な価値観の筈なのに、それをカットて。全く意味が分かりません。
そして、2人の邂逅シーンで描かれていた『泣くのではなく笑うべき』を削除したのがもっと意味不明です。
今後描くつもりなのかも知れませんけど、あの台詞は初めて弥子に会った時に口にした事に意味が有ると思うんですけどね。いや、HAL編をやるつもりが無いのならどうだって良いんですけど。寧ろ、この感じでHAL編をやられても厭なんですけど。
まだ1話なので全てを判断するには早過ぎますが、現時点では原作への理解や愛が殆ど無い人が制作を手懸けてる様にしか感じられません。
「松井優征のネウロに敬意を払え」。それが大切だ。